自分の同人活動の根本には【補完】がある。
作品そのものに、なんておこがましいものではなくて、自分に対する【補完】だ。
実にアレだ。
おサルのアレと同じレベルだ。
自己満足なだけなのだ。
だけどそう。それがないと何も書けないし、描こうとも思えない。
CODEGEASSの主人公は最後までヒールに徹した。
これは凄いことだと思う。徹底して、手加減することなく、やってのけた。
自分の【死】で世界を救うとは…。
まるきりキリストだ。
一切の原罪を負って晒されたあげくに死に至る。
もっともキリストの場合は復活を果たし、名誉と栄光を手に入れるわけなのだが、【ブリタニア99代皇帝ルルーシュ】は悪逆皇帝として歴史に名を残し続ける。
ほんの一部分の人々の心に、その真意だけを残して。
思い出と供に。
そして永遠を彷徨う灰色の魔女の心の中では、まさしく、特別な形での永遠としてその姿が残るのだろう。
なんだ、ここまで【死】を昇華されてしまうと【補完】も何もあったもんじゃないな。
完全な一人勝ちである。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは悲劇と破壊と、それから慈愛の主人公だった。
この強固な慈愛故の行動に振り回されてしまった人々は、お気の毒であるとしか言いようが無いんだが。
でも恐らくは彼が望んだであろうそれぞれの、それぞれなりの平和と安らぎの日々を送る彼が愛した人々が、最後には皆、笑顔であったことがこの物語の救い、なのかもしれない。
彼は約束どおり、魔女にも笑顔を与えていった。
その名を口にする、それだけで、彼女は優しく笑うことができるのだ。
成したことは認められなくても、残したものは、尊い。
彼の願いを聞き届けた無二の親友は、彼を手にかけることで【罰】を負って生きることと成る。
本来の己を捨て、否定し続けた仮面を被り続け、彼の意志、想いを成就すべく生きなくてはならない。
直前まで、悩んだかもしれない。
これしかないのか。
しかしもはやそれ以外にはないところまで事態は進んでしまっていた。
ルルーシュが本当に望んだのは、親友と、そして妹と過ごした穏やかで優しい日々が繰り返されること。
誰にも脅かされること無く、存在する【明日】。
仮面の英雄、柩木スザクは、【明日】の為に今日を生きる。
それはたぶん、いつか
「よくやってくれた」
と、彼に笑顔で迎えてもらう時のために。
迎えるルルーシュは、綺麗に笑っているのだろうとオイラは思うのだ。
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